デンマークを代表する伝統的な織師 Hanne Vedel (ハナ・ヴェーデル)。工房見学から一年。ハナさんと一緒に選んだファブリックでのPP701とラグ。店頭にでていないこともあり、お客さまにご紹介できたりできなかったり...。素敵なハナさんの工房を画像だけでもご紹介させてください。
後継者はなく、今は織られることのない織機
モーエンセンの2213ソファの張地も自らデザインされたファブリック。
J39チェアにもお手製のシート。
フィンランドで修業されていたこともあって、Artekの家具がセンス良く使われています。ペンダントランプはデンマークのPANDUL。クラートにも展示中です。
1965年、ウェグナーが自邸のためにデザインしたPP701チェアが昨年50周年を迎え、その節目を記念し、ハナさんの貴重なファブリックを座面にあしらったもの(日本のみでの限定販売)。嬉しいことにクラートのファブリックを一緒に選んでいただきました。
座面に使用するファブリックは、ハナさんの手織りのプロトタイプ/サンプルです。中にはファブリックメーカーから商品となったもの、教会や銀行、裁判所などで採用されているもの、ハナさんの手元にあるプロトタイプのみで商品化されていないものなどです。椅子1脚もしくは2脚分程の小さなサイズのファブリックなので、このチェアは一点ものとなり、世界的にも非常に価値あるチェアとなることは間違いないでしょう。
ハナさんは織りは引退され在庫のみとのこと。唯一、今回のコットンテープは手縫いでしていただきました。片側のテープは落ち着いたピンクのカラーがアクセントに。ハナさんにおすすめ頂きました。手のかけられた貴重なラグ、私達もご理解ある方に大切に引き継いでお渡ししたいと思います。
wool rug 90×120cm
詳細はお問合せください。
在庫のラグはこちらのみとなりました。sold out
*2018 再訪しています。在庫はお問合せください。
店頭に出ていないことがございますのでお気軽にお申し付けください。
Hanne Vedel
1933年、ドイツとの国境に程近いデンマークのオーベンローで誕生。織りを学んだ後、1951年に独立。フィンランドで2年間修業し、デンマークの新人デザイナー向けの展示場 Den Permanente で作品を発表。そこで実力を認められデンマークのファブリックメーカーGabriel (機械織り) から販売開始。本格的に織師としての仕事 (メーカーへのサンプル作りがメイン) がスタート。
1965年にはオーベンローで初めて教会の仕事に携わります。祭壇までの通路、神父の祭服や椅子の座面など、あらゆるファブリックをデザインします。教会の仕事を任される事は非常に特別なことで、ハナ自身最も重要な仕事の一つとして長年取り組み、全てハナと職人の手織りファブリックを使用しています。現在では100以上の教会でハナのファブリックが採用されています。
1970年にはポーラ・トロックから織り工房スピネゴーン (Spindegaarden) を引継ぎました。スピネゴーンはデンマークの織の技術を高めるため、1948年にポーラが設立。ハナはここで伝統的な技術で現代的なデザインを作り続けます。その確立された技術をもって、デンマークを代表する建築家やデザイナーと様々な仕事をします。ハナが使用する色は全てキリスト教にゆかりのある色ばかり。そのため深みと品があり、それらが織りなすファブリックには暖かみある奥行があります。
【ハナのファブリックが採用されている主な場所】
コペンハーゲン教会、コペンハーゲン証券取引所、コペンハーゲン裁判所、ルクセンブルグEU裁判所、デンマーク銀行、ミュンヘンSiemensコンフェレンスセンター、ブリュセルIBMなど。
klart
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